「体感型ダリ展『サルバドール・ダリ-エンドレス・エニグマ 永遠の謎-』」が12月20日、角川武蔵野ミュージアム(所沢市東所沢和田3)1階グランドギャラリーで始まった。
「アートと物語を全身で浴びる没入体験」をテーマに約1000平方メートル以上の大型空間で「映像と音楽に浸ることができる」同展は今回で第3弾。これまで、第1弾「浮世絵劇場 from Paris」、第2弾「ファン・ゴッホ-僕には世界がこう見える-」を開催してきた。
今回は20世紀を代表するスペイン生まれの芸術家「サルバドール・ダリ」にフォーカス。ダリは幻想的かつ独特な世界を写実し数多くの絵画を残したほか、版画や彫刻、宝石デザイン、映画など多岐にわたり活動してきた。そうしたダリの人生を体感型のデジタルアート展示で紹介する。
会場は3つのエリアに分かれる。最も広い体感型デジタルアート劇場では、壁や床360度に映像が映し出され、ピンク・フロイドの音楽に合わせ、ダリの絵画や写真、映画、記録写真を35分間上映。同館プロデューサーの今井久さんは「約200点の素材を組み合わせて、映像を作り上げた。一つの本質を読み取るというよりは『ダリは何をしようとした人なのか』『この作品はどんな意味を持つのか』など、いろいろなことを想像しながら鑑賞してもらえたら」と呼びかける。併せて、ダリの自伝から抜粋した言葉を空間全体に大きく展示する回廊もある。
続くエリアでは、年表とともにダリの生涯を学ぶ。ダリ自身が設計や内装を手がけたダリ劇場美術館をイメージした空間で、赤を基調とした部屋に写真と文字でダリの生い立ちを紹介する。
最後のエリアにはフォトスポットを用意し、ダリの絵画を拡大したもの数点も展示。中に入れる卵の展示品も設ける。
今井さんは「展示の中心は映像だが、その後のダリの生い立ちや言葉を見て学んで、また映像を見るのも良い。出入り自由で正しい鑑賞方法はないので、一人一人が自分の解釈で作品の中へ没入してもらえたら」と話す。「アート初心者や子ども連れ、カップルなど多くの方に作品に触れてもらいたい」とも。
開館時間は10時~18時(金曜・土曜は21時まで)。第1・第3・第5火曜休館。当日入場料は、一般=2,500円、中高生=2,000円、小学生=1,300円、未就学児無料。5月31日まで。