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所沢・北秋津に「グループホーム幸せふくろう北秋津」開設 地域交流も

内装を手掛けた東洋大学の学生たち

内装を手掛けた東洋大学の学生たち

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 介護保険指定事業所「グループホーム幸せふくろう北秋津」(所沢市北秋津)が4月1日、開設した。経営は、平塚市・所沢市・三芳町を中心にグループホームや有料老人ホーム、デイサービスなどを展開するメディカルライフケア(神奈川県平塚市)。入居には所沢市に住民票があり、認知症と診断された要支援2以上の人が必須条件となる。

タイル製作に取り組む小学生たち

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 2階建て18床の新築一戸建てのグループホームは、最大18人まで入居できる。全室にカメラとセンサーが付いており、入居者の体温や血圧、呼吸数のほか、睡眠の質も管理できる。入浴の際には車いすごと風呂に入ることもできる機械浴を完備。介護職員の業務負担軽減と同時に入居者とのコミュニケーションの時間が増やせるよう工夫しているという。

 同施設は着工段階から地域交流に取り組み、その一つとして、内装のクロスや床材は東洋大学の学生たちが話し合って決めた。同社は同大の授業の一環で、高齢者の社会参加について考える機会を設けている。このことがきっかけで、老人ホームの建築に携わる学生を募集したところ、4人の学生が手を挙げた。学生たちは実際に自分の家の内装を見たり、親に「(自分の家の壁紙は)どうしてこの壁紙にしたのか」などと質問したり、業者の人と相談したりしながら進めていった。学生たちからは、「自宅は親がいろいろと考えて建ててくれたことが分かった」「家族とのコミュニケーションが増えた」などの感想も出たという。

「学生にとって、グループホームという一見関わりのない世界に飛び込んだことは、貴重な体験になったのでは」と取締役の山森啓太さんは話す。「月日がたっても、ここは私たちが考えた建物だと愛着を持ってもらえたらうれしい」とも。

 そのほか、施設に近い北秋津小学校や近隣の学童保育の2~6年生の児童約60人がタイル製作を担った。約15センチ四方の正方形の紙に桜やヒマワリ、コスモスから1つを選んで下描きをした後、カーボン紙を使ってタイルに写し、最後に色を塗る作業を行った。デザインや色味には一人一人の個性が反映されている。完成したタイルは各個室入り口のネームプレートの下や外壁に貼る予定。

 山森さんは「老人ホームは、ただ人を預ける場所ではなく、地域資源の一つとして捉えている。利用者の方には余生を充実したものにしてもらえるよう、地域の方と関わりながら支え合っていけたら」と話す。「もし親の介護が必要になったとき、将来の親の老後について考えたとき、どこに、誰に相談すれば良いのか、困った時でも気軽に相談してもらえるような施設にしたい。高齢者だけでなく、職業体験や子どもの発表会の場として施設を提供し、いつでもフラッと気軽に来てもらえる場所にしたい。まずはこのような活動をしていることを地域の人に知ってもらうきっかけになれば」とも。

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